愛媛FC 2022年 第12節 長野(A)

何度、長野の選手に入れ替わられたことか。また、ラインぎわの駆け引きの拙さも露呈してしまいました。全体的にやりたい事がうまく体現できているのは長野の方だと思います。

ただ、長野の拙さにも助けられ、どうにか引き分けに持ち込めました。あと、最後の近藤選手の失点を阻止した走りをリプレイでみたけど、昨年の相模原戦の悪夢(決定機なくなり、ボールウォッチャーになり、逆襲され、失点サヨナラ)は断ち切ったと思いました。


石丸清隆 監督
前節負けているので連敗は何とか避けなきゃいけないと思っていました。それは引き分けでオッケーという意味じゃなく、勝ちに来た中での引き分けは非常に残念な思いです。ただ、遠いアウェイですけど、サポーターも来てくれた中での後押しに対して選手は最後まで諦めずに戦ってくれた印象はあります。ゲームの方は戦前の予想から相手がシステムを変えてきたりしたのもあって、なかなか中盤のスペースも見つけられないというところがかなりあった。イメージと違う形になった途端にちょっと上手くボールを動かせなくなったなという印象があって非常にもったいなかった。それをゲームの中で見つけてボールを動かしていければ(相手の)ディフェンスと中盤の間にはかなりスペースがあったけど、相手のボールに対しての強度の影響下それを見つけることができなかった。その中で自分たちから難しくしたスローインからの失点はまたもったいないという思いがある。ただ、諦めずにゲームを進めていった中、同点にできたし、勢い的には逆転ができたゲームでもあったと思います。選手をコンバートしながら穴埋めしていき、何とか90分間のプランを戦えるメンバーが少しずつ揃ってきたというところで言えば、チームはもう少し発展できるのかなと思っています。来週はこれよりはコンディション的にも戦術的にも発展できるかなと思うのでトライしていきたい。

−−前節の敗戦から奮起し、攻めの姿勢は出せていたのでは?
メンタル的には非常に前向きにプレーしてくれたと思いますけど、若干相手のシステムの変化に対して、圧力を感じたのかイージーミスを繰り返してしまった。サイドを変えればチャンスになる状況もかなりあったので、前半は停滞していたなという印象が僕にはあります。相手は前に分離したような守備をしてくるので、その間はかなり使えると思っていた。そこはスカウティングどおりだったけど、その前のプレッシャーのかけ方がちょっと変わり、立ち位置がスカウティングと違う形になっているところでちょっとフリーズしてしまったなと。ハーフタイムに指示したことで後半は相手の立ち位置を上手く理解した中でスムーズに行けるところもありましたし、前半よりはゴール前に迫れたかなと思います。ただ、最後のところでもう少しパワーをかけることは必要だったかなと。負けていたというのもあったけど、最後まで足を止めずに前向きにやってくれたし、茂木とかは全然違うポジションでプレーしたけど、それでもゴールを奪いにいく姿勢は出ていたと思う。

−−選手交代のカードもハマっていたところもあったのでは?
これまでは途中で入る選手が若干パワーを出せなかったりしていたけど、そこから選手も帰ってきて、90分間通してどうやってパワーをかけるかという面では、(松田)力とか(横谷)繁とかは基本的にはスタメンの力があるし、後半でのパワー不足がある中ではチームとしてはそこでパワーは出せるかなと思っていました。そういう意味では点を取ることはできましたけど、前半で取られたことは反省材料になる。これをどう勝ちきるかという方向に持っていかないと。引き分けでは満足はできない。舵の切り方としては、これからは選手も戻ってきて、いろんな方向性が相手を見ながらどうやって交代していけば優位性をもって試合が進められるかを考えられるのかなと思っています。


シュタルフ 悠紀リヒャルト監督

※試合後記者会見より抜粋

宮本選手の下に3人置いたことも含め、攻撃の狙いと評価は。

「我々はすごく幅を活かしたサッカーをするので、シーズンの立ち上がりは大きいスペースを選手が個で打開してチャンスメイクして得点というシーンが多かったです。ここ最近の試合では個の打開に人数を割いてブロックしてくる守備があるので、チャンスの回数だったり攻撃の厚みが少し足りないと感じていました。距離感を縮める形を取って、より攻撃的に、潰されても第2波第3波と攻撃に送り出せるように配置しています。そこは選手も非常に良い距離感でやってくれていますし、森川の生んだゴールよりも前半は良いチャンスがあったと思います。守備からの宮本の決定機もありました。前半だけでも2点取れたと思いますし、後半も追加点のチャンスはたくさん作れていたので、非常に残念に思います」
シュートで終える意識は高かったものの、追加点を奪えなかったことについては。

「1試合でこれだけ多くのチャンスを作っているチームがJ3の中に何チームあるのかと僕は本当に思っています。チャンスを作るところまではデザイン出来ているので、最後のフィニッシュの部分は一人一人がしっかりと決め切ること。それは練習から積み上げていくしかないと思っています」
後半は間延びしてサイドにスペースを与えてしまったのでは。

「前半も後半もあまりチャンスは許していないと思うのですが、間延びしている部分は我々が攻撃をしてシュートを止められたり、最後のクロスやラストパスをクリアされてカウンターを入れられたりしたシーンが多かったと思います。どうしてもネガティブトランジションの部分ではスペースが空くので。逆に言えば大きなピンチとして危険な位置から1-2本シュートを打たれていますが、大きなピンチの戻し方としてもそんなに悪いトランジションでは無かったと思います。追加点が取れていればそのまま勝てていた試合なので、そこが本当に悔やまれます」
住永選手がアンカーで効いていた中、坪川選手に交代した意図は。

「最後失点しない為。坪川の方が守備の強度や球際のボール奪取能力やクロスに対する高さとか、運動量も含めていろんな部分で守備面で特徴が出せるので。ここ2試合最後の時間帯にやられているので、しっかりとチームの形として崩れないように送り出しました。良くやってくれたと思います。ただ、また違った局面であるセットプレーでやられてしまった。前節に続いてセットプレーからの失点なので、そこは改善しないといけないと感じています」
悪い方向に向かないために、選手達への働きかけなどについては。

「選手達はもちろん辛いと思いますが、自分たちの試合を見返せば、いい試合は出来ていると感じると思います。自分たちにコントロールできない少しの運も足りないかと思いますが、コントロールできる部分でしっかりとやることのみなので。「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」という言葉が日本には存在します。広めたのは野球の野村監督ですが、元々は江戸時代の大名の松浦さんという、剣術の達人でもあった方の言葉ですが、本来の意味からずれて伝わっている。イビチャ・オシムさんも「スポーツの中で唯一サッカーだけが、良い方のチームが頻繁に負けるスポーツ」だと言っていました。残念ながら今のパルセイロがそれだと思うので、しっかりと自分たちに矢印を向けて力を付ける。勝率を1%でも高めることによって、こうした試合が我々の方に転がってくれる事を願いながら…出来ればもっと勝点を積み上げながら成長していきたかったですが、僕の眼には成長が間違いなくしっかりと見えているので、信じて突き進むだけだと思います」