竹林堂 塩饅頭

創業明治36年 竹林堂
山梨県南巨摩郡富士川町鰍沢の和菓子屋さんです。
そこでチョイスしたのは「塩饅頭」です。


塩饅頭は、まんじゅうの極みと云われる上用づくりです。弾力生地には、きめ細やかな京薯藷粉と大和芋。ほのかな塩餡は、十勝小豆と富士川舟運伝来の『鰍澤塩』を厳選。保存料、膨張剤は一切に使用せず、職人が手塩にかけて、自然の力だけでふっくら蒸し上げております。

  • 薯藷粉→ジョウヨウコ→上新粉の細かい物で、もっとも細かい米粉のこと。
  • 富士川舟運→富士山、赤石山脈と、周囲を3千メートル級の山に囲まれた甲斐の国(現在の山梨県)は、その昔、交通の便の非常に悪いところでした。江戸への流通ルートとしては笹子峠を山越えして行くか、あるいは駿河の岩淵(静岡県富士市)まで、人力か馬の背に荷駄をつけて運んで行くしかありませんでした。しかし今から400年前、徳川家康から"富士川開削"の命を受けた京都の角倉了以らの手により、鰍沢から岩淵までの水路が開通したのです。ちょうど信州往還と駿州往還の交わる地点に位置していた鰍沢は、この開削によって富士川舟運の要衝地となり、鰍沢河岸は流通の拠点として大きく発展していきました。
  • 鰍澤塩→当時の主な積み荷は「下げ米、上げ塩」と呼ばれました。下り荷は甲州や信州から幕府への「年貢米」、上り荷は「塩」などの海産物が中心だったからです。陸あげされた塩は、桔梗俵に詰め替えられ、「鰍沢塩」として甲州一帯はもとより、信州まで運ばれたと言います。

歴史が濃縮されたような和菓子です。
一口目は、味覚を探知するのに要されます。
二口目で、餡の控えめな甘さを感じることが出来ます。
やわらかな生地とやわらかな甘さが口の中に広がります。

これまでの和菓子とはジャンルが違う感じがします。