石狩湾小低気圧

小さくても、馬鹿にできない。

石狩市HPより

石狩ファイル0005-01(平成16年7月1日)
石狩湾小低気圧
いしかりわんしょうていきあつ

1月に入ると北海道は、オホーツク海やカムチャツカ方面で発達した低気圧により、西高東低の冬型の気圧配置が形成され、冬が本格化し、降雪が多くなります。しかし、その気圧配置が弱まった頃、石狩平野は、突然のドカ雪や吹雪に見舞われることがあります。その原因が「石狩湾(小)低気圧」です。

台風や発達した低気圧に比べると、その威力のわりに知られていませんが、北海道の西海上、石狩湾で発生する西岸小低気圧で、厳冬期に比較的現れます。冬型の気圧配置の気圧の傾きがゆるくなったり、発達した低気圧が千島列島の東方洋上に去った場合に発生しやすいといわれています。

その低気圧の大きさは数10キロメートルから100キロメートル程度しかなく、寿命も数時間から半日程度、長くても3日くらい、天気図の等圧線にもその存在が明瞭に示されません。(通常、等圧線は4ヘクトパスカルごとに描きますが、石狩湾小低気圧は1から2ヘクトパスカル程度しかないため。)

その雪雲は太い帯状をしており、豪雪をもたらす範囲は、20から50キロメートル程度と局地的ですが、降雪量は1日に50センチメートルから1メートルを越えることもあります。石狩湾小低気圧の成因についての定説はまだありませんが、地形や対馬暖流、流氷などの影響が考えられています。(三上正一)

参考文献