中島京子「ちいさいおうち」


中島京子「ちいさいおうち」を読みました。

小さいおうち (文春文庫)

小さいおうち (文春文庫)

ちょこちょこ直木賞受賞作は読んでいるのですが、ブログで取り上げている回数は少ないです。
札幌出張 - 北海道改め埼玉の備忘録
直木賞 - 北海道改め埼玉の備忘録
本を買った - 北海道改め埼玉の備忘録
廃墟に乞う - 北海道改め埼玉の備忘録


一文に文字が多く詰まっていて、最初は中々読み進められないのですが、次第にサクサク進んでいきます。
女中の回想シーンと現在のシーンを交えながら話は進み、最終章は第三者の現在のシーンで、過去と繋がります。


「小さいブリキの、進駐軍ジープ」の話は書かれないまま「心覚えの記」は中途半端に終ってしまいます。

戦争は終わり、田舎にも、進駐軍ジープがやってきた。
けれど、どう書いたらいいのだろう。
それらはみんな、たいせつなことを追い越してしまった後の、日々のことだ。